Vol.6 練習メニュー ②ポイント練習 ~概要~
2017/05/10
今回のテーマは「練習メニュー②ポイント練習」です。前回の「ジョグ」に続き、練習メニューの解説をしたいと思います。なお、専門的な「ポイント練習」の実施は、主にサブ4や5km25分以内といった方が対象になりますが、考え方自体はどんな走力の方でも、あるいは他のスポーツをやる方でも参考になるはずです。
1.「ポイント練習」とは
まず「ポイント練習」の定義ですが、『心肺機能や(脚)筋力の向上等を目的にした負荷の高い練習』のことです。対になる言葉は「つなぎの練習」(又は「つなぎ」)で、つなぎの練習の中心は前回の記事でお伝えしたジョグになります。
ポイント練習の考え方の根底にあるのは、「超回復」の理論です。筋肉は高い負荷を掛けることで破壊され、その後の修復により質のいい筋肉ができるとされています。超回復には48時間~72時間掛かるといわれていますので、中2日くらい間隔を空けると「超回復」が起きて効率よく走力を上げることができるのです。
2.「ポイント練習」の具体的内容
続いて、ポイント練習の具体的な内容ですが、主に以下の4つが挙げられます。具体的な内容や目的、設定タイムの目安などは後日改めて解説する予定です。
「ペース走」…一定のペースで6km~12kmといった距離を走るメニュー
「ビルドアップ走」…最初はゆっくりしたペースで走り出し、徐々にスピードアップをしていく練習
「インターバル走」…1000m×5本など、疾走区間でスピードを出し、間をジョグでつなぐことを繰り返す練習
「ロング走(距離走)」…20kmや30kmといった長い距離を走る練習
3.「ポイント練習」のポイント・注意点など
ポイント練習は負荷の高いメニューとなるため、毎日行うことは適切でなく、最低1日、通常は中2日程度間をおいて行うのが基本です。例えば「水曜日と土曜日(又は日曜日)はポイント練習」、と週間でスケジュールを組むと良いかと思います(「セット練習」として2日連続で行う場合もありますが、まれなケースです)。
なお、間の日に行うのが「つなぎの練習」であり、これはポイント練習とポイント練習の間を「つなぐ」という意味でこう呼ばれるものです。「つなぎ」の目的は、走力や心肺機能を維持しながら疲労物質を流していくことで、次のポイント練習(又はレース)でいい走りができるようにすることです。
また、ポイント練習は普段より負荷の高い練習を行うことになるため、故障のリスクが高まります。そのためポイント練習を行う際には、十分にウォーミングアップを行って心身ともに準備をすること(目安…15分前後のジョグと流しと呼ばれる100m程度の軽いダッシュを数本)、および終了後はクーリングダウンとして軽いジョグで身体をほぐすことが重要です。
ポイント練習を入れるということは、すなわち練習にメリハリをつけるということ。走力アップを目指す方は、定期的に取り入れてもらえればと思います。